2012年7月1日日曜日

2012 灼熱の女王:吉田香織

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● 2012 Gold Coast Marathon :左から扇、吉田[Kaori YOSHIDA]、キムタイ(ケニヤ)


朝、6時頃起きた。
温かい。
会場まで車で15分ほど。
いつもなら、暖房全開で向かうのだが。
マラソンスタートは7時20分。
普段ならまだ日がのぼって朝がきたといったところなのに、ギンギラギンの朝日が照りつけている。
下着にシャツ、これでじっとしていると額に汗が浮かぶほど。
時間を経るにしたがって、温度が上昇していく。
これまで20年ほどGCマラソンをみてきたが、過去に例がないほどの温かさ、ランナーにとっては暑さだ。
競技中は楽に20度を超えている。
この大会では「灼熱のレース」と言っても間違いではない。

いつものようにオーストラリアフェアーに車を停める。
この前がマラソンのスタート地点で、横コの字形のゲートが作られている。
が、どこにもない。
なんだ?、どこだ?
スタート地点が変更になったとか。
そんな話は聞いていない。
日本人ランナーが
「どこからスタートするのでしょう?」
と、聞いてくる。
「?」
どこを見回してもそれらしいものが見当たらない。
ウウーン、あと30分もすれば号砲がなるであろうとおもわれるのに、スタートゲートがない。
そんな、バカな?

200mくらい北よりにオフィシャルがたくさんいる。
行ってみる。
なんとこれ、スタートゲートをつくっているのである。
がしかし、いつものとは違ってバルーン形式のもの。
つまり、ジュニヤダッシュに使われた風船ゲートである。
エエ、ということは今年は仮設ゲートはなしということか。
「シュー」と空気を入れてアッというまに出来上がり。
ものの、2,3分。
ビデオに撮っておきました。


● 風船ゲートの出来上がり

おそらく、ハーフマラソンのスタートに使われていたものを、スタート終了後、直ちに空気を抜き、こちらへ運んでマラソン用に組み立てた、といったことなのだろう。

さてゲートができると、その手前にランナーが集まってきます。
何しろ快晴で写真がくっきりとなり撮りやすい。
さらに、スタート位置が後方にずれたために写真を撮るには絶好の条件となった。


● 集合と、そしてスタート10分前。


● スタート前の吉田香織


● スタート直前の模様


● 日本女子ランナーたち。
右端側に3人見えます。
左(ピンクの上着)が吉田香織、真ん中が谷川真理、そして右端が田中千洋。


● オーストラリア国家斉唱


いよいよスタートである。
参加者がスタートし終わるのに6分ほどかかっている。
右側を走ってくれたので、吉田、谷川、田中、そして大山香織、扇まどかの5人が確認できる。
ストップさせながら探してみては。
なを、残念なことにスタート前のどの動画でも川内優輝を見つけることはできなかった。


● 2012 ゴールドコーストマラソン スタート風景

3分30秒から35秒くらいにかけて、名物「根性男」が走っている。

● 名物「根性男」

下は10年ほど前の若かりしころの根性男。



● 仮装ランナー「緑鬼」


ステージ横に巨大なスクリーンがある。
それで観戦する。
南の折り返しポイントは15kmのところにある。
スクリーンの映像は20キロ手前くらいになる。
往路のランナーとすれ違っている。


● 途中右手にお相撲さんがいる

トップグループは川口を含めて7名。
川口は後尾で白い帽子をかぶっている。
ケニヤのランナーが少しずつ遅れはじめているようである。

会場前が31kmポイント。
そちらへ移動してランナーの到着を待つことにする。
トップはケニヤとエチオピアの2人になっていた。




● 31km地点 川口優輝5位

第二グループもケニヤとエチオピア。
そこからだいぶ離れて川口である。
相当に苦しそう。
帽子はかぶっていない。
今日の太陽光はすさまじい。
肌を焼かないほうが疲労が少ない。
この暑さだと絶対に帽子はかぶっていたほうがいいはずだが。
帽子の重さも気になるほどだったのか。

さて、アフリカ6人衆の一人、キマイヨが来た。
が、ほとんど歩きに近い。
おそらく、リタイヤだろうとおもわれる。


● 31km地点 キマイヨ危うし

女子のトップで来たのはやはり吉田香織。
強い。


● 31km地点 吉田香織トップ 
 吉田の後ろを走っているのが男子日本選手[TAKAMICHI]


ゴール前の取り付け道路前に移動する。
その間、女子は扇が2位、キムタイが3位で過ぎ去って行った。
エチオピアがケニヤを置き去りにしてトップで取り付け道路に入っていく。
2位はケニヤ。
3位グループからエチオピアがこぼれてケニヤが3位。
そして、川口優輝が4位で戻ってきた。
そのあとはひどくはなれている。




● ゴール300m手前:川口優輝4位

吉田香織が総合11位、もちろん女子トップで帰ってきた。
道路整理をやってるオッサンが「ニューレコード」と叫んでいるが、あくまで、この取り付け道路までのこと。
ゴールまではあと300メートルは残っている。


● ゴール300m手前:吉田香織1位

吉田のあとに入っていくのが[TAKAMICHI]という選手[注]。
私としては初めて聞く名前だが、日本人総合で3位である。
観客にサービスしているが、走り切っただけでもこの陽気だと成功の部類に入る。
[注].TAKAMICHI選手については、7月2日版を参照



● ゴール300m手前:[TAKAMICHI]日本人総合3位

31km地点でみたとき背が高く、走る時も背筋がのびいて、ひどく姿勢がいい。
なにしろ真っ黒なので精悍な印象が強く、瞬間的に
 「ブラックタイガー」「黒豹」

とネーミングしたほどである。


そして、女子2位は扇まどか。日本人総合で4位。


● ゴール300m手前:扇まどか女子2位

3位はキムタイとなる。


● ゴール300m手前:キムタイ(ケニヤ)3位


ゴールシーンは夕方の「ゴールドコースト10」のニュースから。


注).左下の三角マークをクリックしてください

そして表彰式を。
まずは女子。


● この灼熱のレースの中で吉田香織は、一昨年の自己記録を1分ほど縮めたのである。

いくら「暑いのには強い」といっても信じがたいスタミナというか体力である。
2位の扇はそれから約3分後、さらにキムタイはそれから3分後である。




そして男子。


● 一昨年、昨年と男子は1位から3位まで「ケニヤ、ケニヤ、ケニヤ」であった。
今年は久しぶりチャンピオンはエチオピアとなった。
2位、3位はケニヤである。



川内優輝[Yuki KAWAUCHI]は4位であった。
しかし、川内はよくやったと思う。
アフリカ勢のライバル6人のうち半分の3人がこの暑さで失速していくなか、粘って4位で入った。
川内はトップから約3分差ゴールしている。
ところが5位のランナーが入ってくるまで、マラソンでは信じられないほどのとてつもない時間が過ぎた。
手元の時計では6分以上である。
何か大きな事故でも起こったのかと一瞬気を回したほど。
ビッグレースでもこんなことありえるのかというが感想。
さほどに過酷だったということなのだろう。
そして、その後もポツン、ポツンと時間的な間を置いてランナーがゴールに向かってやってくるほどのレース。
そのことを考えると、
 川内の頑張りは賞賛に値する

ものだ。
ぜひ、来年も来てほしいものだと心から願ってしまう。


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ハーフマラソン表彰式
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ハーフマラソンの表彰式はカメラ操作のミスで女子の部の動画が撮れなかった。
写真だけになりました。
女子は白滝 成美が2位に入賞しています。
トップのアレックス・ワトソンとの差はなんと1分以上ある。
そして、このワトソンは公式ガイドブックに載っていないランナーである。
打田理纱は4位であった。


● 女子ハーフマラソン表彰式

男子は案の定、アダムスが優勝。
中山伸一は3位でした。
アダムスとの差は1分弱、やはりアダムスは強い。
が、2位のハリー・サマーズだがアダムスに数秒差。
そして、このサマーズも公式ガイドブックには載っていない。


● ハーフマラソン男子表彰式

なを、白滝と中山は共にこの3月に行われた静岡駿府マラソンのハーフマラソンの部の優勝者である。


昨年は田中千洋・のぞみの「親子賛歌の大会」であった。
今年はまとめると、吉田香織の2勝目、のぞみの2連覇ということで
 「ツーツーチャンピオン大会」
となった。




【Gold Coast Airport Marathon:ゴールドコースト・マラソン】



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