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●2014 ゴールドコーストエアポート・マラソン スタート
オーストラリア国歌のあと「ドン」。
トップから最終ランナーが走り終わるまで8分強かかる。
●スタート時トップ集団
●川内・藤原・イグレストン・リモ
●イグレストン(2位)とリモ(優勝)のスタート風景
これまでハーフマラソンには興味をもたなかった。
マラソンのスタートを見送った後、その時間あたりにハーフのトップランナーがゴールする。
ためにカメラを構えてその姿を撮るチャンスがなかったからである。
スタートを見たあとはオーストラリアフェアーのフードコートに入り、朝食を食べることにになっていた。
スタート地点が帰りの31km地点になるので、約100分ほどの休憩時間になる。
今回はこの時間をハーフがらみに使うことにした。
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GC ハーフマラソン
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ゴール脇の観覧席は前の方で人が立ってしまうので後ろはそれに連れて総立ちになる。
これではなんの観覧席か分からない。
取り付け道路は三重四重の人垣でまるでコースは見えない。
よって、こんな応援風景も出てくる。
●ゴールへの沿道は人の群れ
うしろの「21」はハーフの「21km」を示す。
ゴールまであと100mである。
●イベントの大きさに対し、みすぼらしいほど貧弱なゴール環境
ゴールドコーストマラソンの最大の欠点はゴール地点の貧弱さ
にある。
とても国際レースのゴール設備とは思えない。
JALゴールドコーストマラソンのときは、広い駐車場がそのままゴールに使われた。
だがいまそこは野外ステージ前の芝生広場になっている。
寝っ転がって表彰式を見るには最適だが。
今は巨大に新装なったプール裏のささやかに残された何ともいえないチマチマした狭苦しい駐車場。
水泳はここでは華麗な競技。
オリンピックのメダル獲得数も大きく、国民のほとんどが水泳ファン。
一方、マラソンはダサイ競技の最典型。
その差が明瞭に現れるプール脇の設定になっている。
この場所はとてもビッグイベントのゴールを設営する処ではない。
2万人を超える参加のあるイベントに成長した言うなら、
もはやここは限界を超えている
だろう。
ゲームの最も盛り上がりある処が日陰の花ともいうような暗い駐車場とはまるでいただけない。
2018年のコモンウエルス・ゲームを念頭に置くなら何とか考えないといけないだろう。
「開催するイベント」から「見せるイベント」への発想意識の変更
が必要になる。
それが開催者にできるかどうかである。
キラキラ輝く看板のウラ側が貧相な施設のやりくりではサマにならない。
この場所でのゴールは今年で終わりにしたほうがいい。
トップランナーを迎えるには
あまりにもお粗末にしてみずぼらし過ぎる。
●上の図の中央下方の「28」の番号の場所が1999年代のJALゴールドコーストマラソンのゴール。
マラソン用とハーフマラソン用の2レーンが設えられてある。
上方のオリンピックプールの左横が2002年から2000年代にかけてのゴール
同じくオリンピックプールの右横の駐車場が2010年代でのゴール。
現在はオリンピックプール施設の拡張にともなってこの駐車場は半分ほどになっている。
ゴールドコーストマラソンのゴールは歴史を重ねるうちに、どんどんやせ細っている。
つまり、イベントが大きくなるにつれて、反比例するがごとくゴールは小さくなっているわけである。
●上の写真は1990年代のマラソンゴール風景。
この右隣に同じ幅のハーフマラソン・ゴールがある。
つまり、この写真の2倍の幅の広さが1990年代のゴール規模ということになる。
このことは上の地図でも容易に理解できることでしょう。
●2014 GCマラソン ハーフマラソン ゴール風景
なにしろすごい人出。
驚きモモの木キウイの木である。
人人、そして人、である。
寝っ転がって表彰式を見る芝生広場が立ち人で埋まっている。
『フルは見るもの、ハーフは走るもの』
という言葉がある。
フルを走るにはとてもとても。
だが、ハーフならちょうどいい。
3カ月も訓練すれば、タイムは別にして十分に走りきれる。
日曜日に2時間の練習で苦しいのは最初の1カ月だけ。
フクラハギがビンビンになる。
それを過ぎればあとは走るのが楽しくなる。
はるかに時間が過ぎたころ中国系の背の高い美人のオネエさんとすれ違った。
裸足で右手にシューズをもっていた。
私を見て声を出して笑った。
中国人は屈託がない。
つられて私も笑ってしまった。
こういう場面は見ないようにするのが日本人のエチケットなのだが。
おそらく10キロ走りを数回やっただけで、
「できる、できる」
と思って参加したのだろう。
少なくとも足の裏、そしてフクラハギが出来ていないとシューズを脱ぎたくなり、歩くのも大儀になる。
歩くと1キロ15分。
ゆっくり走ってもその半分の7分30秒では十分にいける。
とすると、21キロは約2時間半の距離になる。
どうしても経験が浅いと走るという苦しみから早く逃れたいという意識が強く、はじめに突っ込んでしまう。
それが、あとで大きなダメージとなって体がギシギシになり走れなくなる。
中国のオネエさんもその口ではないだろうか。
●2014 GCマラソン 女子ハーフマラソン表彰式
●2014 GCマラソン 男子ハーフマラソン表彰式
●2014 GCマラソン ハーフマラソン ラストランナー
ここは
「42キロを走る? クレイジーだ!」
という世界。
「勝手にやったら!」
と相手にされずに終わる。
もし、家族の中で
「21キロを走る」
となると、これはもう大変。
「みんなで応援に行こう!!!」
となる。
なにしろイベントの少ない街である。
ハーフマラソンは格好の家族のイベントなのである。
21kmというのは走れなさそうで走れる微妙な距離ということでもある。
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ゴールドコースト エアーポート マラソン
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マラソンに戻る。
スタートの次は31km地点。
<<< 31km付近 >>>
●2014 GCマラソン 男子31km付近 5位高田、7位川内
トップとの差からいって、川内には入賞の可能性はないと思える。
●2014 GCマラソン 女子31kmポイント1位(加藤麻美)
女子にはまったく期待していなかったのだが、1位で来たのが日本選手で少々びっくり。
誰だろうこの娘は?
ちなみにその後ろのスキンヘッドはモネゲテイの弟子で往年のランナー、リー・トループ。
2006年にこの大会で優勝している。
少々寄り道すると、彼のベスト記録は琵琶湖マラソンである。
このときモネゲテイが彼のペースメーカーを務め、30kmまできっちりキロ6分で走った。
琵琶湖はNHKが放送するためペースメーカーは使わない。
そこでモネゲテイがトループのために買ってでたわけである。
助けられたのが日本の選手。
なにしろ世界の名ランナーがラビットをしてくれるなんて考えられないことである。
●2014 GCマラソン 女子31km 2位グループ 新宅、アドハナ、アラジェ
続いて2位グループに日本選手。
やはり、誰?
<<< 取り付け道路へ、ゴール前250m >>>
●2014 GCマラソン 男子トップ
圧倒的強さでぶっちぎってしまった「Limo」。
後続ランナーがいない。
2時間10分は楽に切ることになる。
ゴールは観客が多く写真が撮れないので、いつもここでランナーを待っている。
ここから250mでゴールになる。
ここは直線道路が見渡せ、コンパクトデジカメでも最近は500mmのズームがついているので楽に選手を捉えることができる。
ただ、そこまでやると手の揺れが激しくなってくる。
一眼レフではないのでこれはしかたがない。
この場所の一番の欠点はオフィシャルが邪魔すること。
以前にテレビクルーが前に陣取ってしまい、何とか横にずれて撮ったことがある。
今年は「ロードマネジャー」というオッサンである。
つまりコース保安員。
ひとの前をウロウロしてカメラの前を横切る。
上の動画では、取り付け道路へ曲がって部分が欠けている。
このオッサンが前に立ってしまったのである。
「ゲタアウト!」
と叫びたいが、気弱なのでそれができない。
●2014 GCマラソン 男子2位3位
31kmで7位の川内が3位まで上げてきた。
200m40秒以内だと前をいくランナーの背中が見える。
それ以上離れると目標がなくなり気力が薄れるという。
31kmの地点で川内は2位のイグレストンに「1分30秒」ほどの差をつけられている。
1分半といえば500mになる。
ゴール地点では35秒ほどになっている。
背中の見える距離である。
よくここまで上げてきたものだと思う。
2位が落ちてきて、もしかしたらというところまできた、というところだろうか。
「ねばり」に関しては川内は本当に一流である。
●2014 GCマラソン 女子トップ(加藤麻美)
横のオフィシャルカーの電光掲示板をみると27分台。
しばらくして、歓声と同時に日本語でゴールを知らせるアナウンスがあった。
そのとき、タイムは28分台である。
昨年、赤羽が20年ぶりに2時間半を切ったと思ったら、翌年もまたである。
きっかけがつくと一気にいく。
●2014 GCマラソン 女子2位(新宅里香)
間違いなく日本人ランナー。
ワンツーフィニッシュが確定した。
●公式映像より
<<< 表彰式 >>>
●2014 GCマラソン 女子表彰式
[1位 ASAMI KATO 02:28:51]
[2位 RIKA SHINTAKU 02:30:37]
[3位 TSEHAY DESALEGN ADHANA 02:31:41]
加藤はまだ23歳だという。
この記録は自己ベストだという。
この暖かさでこの記録だとこれからが楽しみな若いランナーである。
新宅も自己ベストだという。
●2014 GCマラソン 男子表彰式
[1位 SILAH KIPKEMBOI LIMO 02:09:14]
個人名ゼッケンをつけているので特別選手であると思うが、ガイドブックには記載がない。
ハーフの記録(1:03.20)しかない。
32歳でこれが初マラソンだという。
資料不足で詳しいことはわからない。
いわゆるダークホースということになる。
初マラソンで3万5千ドル(約330万円)を稼いだことになる。
[2位 JEFFREY EGGLESTON 02:10:52]
[3位 YUKI KAWAUCHI 02:11:27]
上の表彰式にプライズマネーが出てくる。
加藤は優勝賞金「15,000ドル」である。
ちなみに新宅は2位で「7,000ドル」である。
賞金は次のようになっている。
これによって、Limoには「35,000ドル」が贈られる。
「1位でかつ2時間9分18秒」を切ったランナーには「20,000ドル」のボーナスがつく。
これに優勝賞金15,000ドルを加算すると「35,000ドル」になるわけである。
ちなみに川内は3位賞金で「4,000ドル」になる。
昨年はみのりの多いGCマラソンであったが、ことしもなかなかのものである。
女子はワンツーフィニッシュ。
加藤は昨年の赤羽に続き2時間30分を切るタイムである。
2010年以降、この5年間で女子は4回優勝している。
このところは今年で3連覇になる。
川内は2時間10分を切れなかったが、粘って粘って表彰台に登ったのは見事だった。
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